会場 彌生画廊(Location)
千代田区三番町6-2 三番町彌生館1F
会期 2003年11月11日(火)〜11月21日(金)
時間 11:00〜17:00 (入場は16:30まで)
休廊日 会期中無休
入場料 無料
お問合せ先 TEL:03-5211-7330
・出品点数は79点
本展では、オーソドックスな形態の書を展示するだけではなく、哲学者である梅原猛先生がご自身でかかれました書に、染色家の三浦景生先生が装飾を加えるという趣向をこらしました作品など79点を展示いたします。作品には梅原先生自身の言葉がちりばめられており、どれもみな含蓄のあるものばかりです。
「私は子供の頃から、字が下手だった。
中学の時、習字は教練と共に、赤点に近かった。マスコミに登場するようになっても、 私の字はとても読みずらく、各出版社には、私の字を読む特殊技能を持つ女性社員がいたそうである。そして、当時、文壇の三悪筆といわれた丹羽文雄氏や石原慎太郎氏の原稿が俄に読み易くなったという。
ところが物好きな人があり個展を開くことを勧める。聞けば最近わざと下手をよそおう書家があるが私の字は正真正銘下手だから却って芸術になるからだという。私は生来オッチョコチョイの性をもちその勧めにのってささやかな個展を開いたところ意外に好評であった。
〜中略〜
私は今まで仏教に関心をもちながら禅について、論ずることがなかった。しかし最近、少し事情があり禅寺を廻っているうちに、禅寺にある禅僧の墨跡に興味をもった。夢窓国師、一休禅師などの書を見ているうちに私も書を書きたいと思うようになり、書道三昧の何日かを送った。私は書の理論などはもたないが、山なら山となり風なら風となって字を書いているうちに次から次へと面白い言葉が出てくることがある。この個展はそういう書道三昧の産物である。ろう染の作品などには、三浦景生氏のご援助をいただいた。私の作品が芸術らしいものになったとすれば、三浦氏のおかげである。厚く感謝したい。」
梅原 猛 <梅原猛
書展 図録より >
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