会場 彌生画廊(Location)
千代田区三番町6-2 三番町彌生館1F
会期 2006年4月15日(土)〜4月25日(火)
時間 11:00〜17:00 (入場は16:30まで)
休廊日 会期中無休
入場料 無料
お問合せ先 TEL:03-5211-7330
・出品点数は67点
梅原猛先生は、哲学者・作家として活躍し、数々の賞('92文化功労者顕彰、'99文化勲章)を受賞、大胆な仮説や思想で日本の哲学者の中において独特な存在を確立しておられます。
本展は2003年にご好評頂きました展覧会に続く第二回目で、前回に引き続き、京都市立芸術大学名誉教授の染色家・三浦景生先生が装飾を加えるというとても華やかで独創的な書展となっております。また今回は京都市立芸術大学名誉教授の陶芸家・藤平伸先生作の陶器に絵付けした作品も出展されます。全作品が本展のために制作されました、梅原猛先生の創作意欲漲る新作のみ67点の発表となりますので、この機会に是非御高覧下さい。
「三年前、私は彌生画廊で書展を行った。私の単独の書もあったが、多くは私が蝋で書いた字が染色家の三浦景生氏によって染められ、絵すらつけられた書であった。そのような臈纈染めの書は富本憲吉氏によって始められたが、その後、臈纈染めの書を書く人はいなかったという。
三浦氏の勧めによって私はそのような臈纈染めの書を始めたわけであるが、勢いだけはよい私の無茶苦茶な書を三浦氏はみごとに芸術にしてくださった。
〜中略〜
私がいちばん好きなのはやはり大燈国師の書である。大燈国師の大きな文字の書がすばらしい。何のけれんもない堂々たる偉丈夫がそこにいるという感じである。白隠もそういう堂々たる字を書くが、大燈国師と比べると品格において多少劣るように思われる。
私は、漢字はもともと象形文字であるので、字の中にそのものの魂が宿っていると考えている。「地」の中には地の魂が、「水」の中には水の魂が、「火」の中には火の魂が、「風」の中には風の魂が宿っていると思われる。それゆえ字を書くときには、そのものの魂が自らに乗り移ったかの如く、そのものになって書かねばならない。そういう思いで私は書を書くことを楽しんでいるのであるが、心がそのものになるというのはなかなか難しいことである。私の心がそのものになりやすい字もあるが、なりにくい字もある。
もう少し私の心が広くなり、あらゆる生きとし生けるものに共感することができるようになったならば、もっとましな書が書けるかもしれないと思っている。」
梅原 猛 <梅原猛
書展 二〇〇六 図録より >
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